Dec 11, 2005

del.icio.us買収と1470.netのExit戦略

すでにあちこち書かれているけど米Yahoo!がdel.icio.usを買収した。

del.icio.usは良くあるネットベンチャーではない。買収されるために作った会社、というのは、まあ実際そうだろう、実際そうだろうけれどもそんなこと言うやつはスーツ脳だ。スーツ脳の恐怖だ。

del.icio.usは完全独立中立国家だった。
- 概要を取得してAdsenseを貼り付ける、であるとか。
- AmazonのURLならアソシエイトIDを付加する、であるとか。
そういうことをしない。

AmazonのURLは正規化したほうがいいに決まってるのにそういう特別扱いをしない。クロールをしない。ブックマーク以外のデータを保持しない。URLのMD5ハッシュ値をキーにしていてdel.icio.usにURLを教えずにそのページに関する情報を取得することが出来る(これは、だいぶ昔に書いた)。完全一致の取り出しに特化していて代わりに検索が出来ない。

言うなれば、del.icio.usにはユーザーの利便性よりも美意識を取るという狂気があった。

del.icio.usは単なるソーシャルブックマークサービスではない。
同じものを作れる人はたくさんいる。del.icio.usよりも○○の方が高機能だ、とか、そういう話はよく聞くし、検索機能がついてたりBBSが付いてたりサムネイルが付いてたりスナップショットを保存してくれたり色々ある、そんな中にあってdel.icio.usはURLがかっこいいという理由だけで30万ユーザーを獲得した。

残念なことにdel.icio.usを買収したYahoo!はevilである。いやそれは正確ではなくdel.icio.usに比べればどの企業も相対的にevilであるというだけのことだ。

もちろん短期的に見ればサーバーが軽くなるとか、検索が使い物になるとか、そういうメリットのほうが大きいだろう。del.icio.usもYahoo!もユーザーも誰も損をしない。ただハッカーの士気に関わるだけで。

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del.icio.usの持っているデータが全開放されたら世界が変わる。del.icio.usのCPUパワーと回線帯域が無尽蔵であれば、全てのリンクに「3users」とかくっつける事が出来る。(だから俺は常々「P2P!P2P!」とか言ってるんだけども)

Googleならば世界を変えられるだけのCPUパワーを持っているかもしれない。けれどyahooには無理だ。yahooだもの。yahooに出来ることといったら、せいぜいdel.icio.usの持っているデータを使ってyahooの価値を高めることぐらいである。Flickrと連携するとか言うからげんなりする。

del.icio.usがyahooの力を借りて無尽蔵のパワーを得るのならば素晴らしいけれど、あんまりそういう未来を期待できない。2%ぐらいしか期待できない。多分しばらくは今までどおり何も変わらないだろう。けれど、del.icio.usが完全独立中立国家でなくなったことは、確かだ。

同じものを作れる人はたくさんいる。けれども何もかもが足りない。CPUが足りない、回線が足りない、愛してくれるユーザーが足りない。そんな中にあって、del.icio.usはURLがかっこいいという理由だけで30万ユーザーを獲得した奇跡だ。

実際のところ、del.icio.usにしてみれば美意識なんてどうでも良くて、さっさと資金を調達して何か新しいことを始めたかっただけかも知れない。あるいはこれからぐんぐんevilになっていくのかもしれない。

del.icio.usの買収は、わかりきっていたことだけれどもやっぱり悲しい。

Web2.0て所詮パワーゲームか?
どれだけユーザーを囲えるかの勝負なのか?
買収だけがゴールなのか?
URLがカッコ悪けりゃゴールは無いのか?

どうなんだ。どうなんだよ。
Posted at 08:38 | WriteBacks (21) | Edit
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